このような疑問をしっかりと解決していきます!
本記事では,まずアレニウスの定義とブレンステッドの定義の違いをしっかりと解説していきます.
その後,共役な酸と塩基の関係も学習していきます!
それでは今日も頑張っていきましょう!
アレニウスの定義
アレニウスの定義の酸
アレニウスの定義によると,酸性とは水溶液中で水素イオンH+を放出する物質のことをいいます.
ただ,水素イオンH+は,水溶液中では単独では存在できず,オキソニウムイオンとして存在しています。
オキソニウムイオンとは下のような形をしています.
これは水H2OのO原子に電子対があり,H+が引き寄せられることで,上のような構造式になります.
H2OとH+の間の結合を配位結合といいます.
電子対の理解は少し難易度が上がりますが,これがわかるようになると,グンと化学がわかるようになりますよ!
このとき,水も含めると以下のような式になります.
HCl + H2O → H3O+ + Cl–
しかしながら,毎回オキソニウムイオン(H3O+)を書くのは手間なので,断りがない限りは,H+と略記するのが一般的です.
そうすると,
HCl → H+ + Cl–
となり,見慣れた形になりましたね!
塩基性
次に,塩基性について考えていきましょう.
塩基性とは,水溶液中で水酸化物イオンOH–を放出する物質のことをいいます.
水酸化カルシウムの場合,以下のようになります.
Ca(OH)2 → Ca2+ + 2OH–
塩基性については,ひとつだけ例外の物質があります.
それがアンモニアです.
アンモニアは,OH–をもっていないので,直接放出することはできません.
では,どのようになるのでしょうか?
そうです!
先ほど出てきたあの物質がまた登場します!
H2Oです!
NH3 + H2O ⇄ NH4+ + OH–
この反応を見ると,しっかりとOH–を放出していますね.
アンモニウムイオンなどの例外があるからです.
しっかり反応式を理解して原理を覚えていくことが近道になります!
今まで見てきたアレニウスの定義を下にまとめました.
もう一度見てみましょう!
ここの四角で囲った前提を見てほしいのですが,そもそもこの定義は水溶液中でなければ使えません…
これでは困ってしまいますね…
その代わりに出てきた定義が,次に紹介するブレンステッドの定義です!
ブレンステッドの定義
ブレンステッドの定義とは,アレニウスの定義を拡張したものです!
と定義しました.
つまり,H+に着目したのです!
これにより,下のような反応式でも酸,塩基が区別できるようになりました!
HCl + NH3 → NH4Cl
H+の移動:HCl → NH3
これより,HClが酸であり,NH3が塩基となります.
では,下の問題を解いてみましょう!
1. 酢酸と水の反応
H+の移動:CH3COOH → H2O
これから,CH3COOHが酸であり,H2Oが塩基となります.
2. アンモニアと水の反応
H+の移動:H2O → NH3
これから,H2Oが酸であり,NH3が塩基となります.
3. 酸化カルシウムと水の反応
CaOをCa2+とO2-に分けて考えてみましょう!
すると,
O2- + H2O → 2OH–
H+の移動:H2O → O2-
これから,H2Oが酸であり,CaOが塩基となります.
CaOは固体なので,アレニウスの定義では定義できなかった物質でしたが,ブレンステッドの定義を用いることで,塩基であると定義できました.
ここで,1と2を見比べてください!
水が酸にも塩基にもなっています!
ここがポイントです!!
ブレンステッドの定義では,反応する相手の物質によって酸,塩基が変わるということです.
特にH2Oは酸にも塩基にもなることがよくあります!
覚えておきましょう!
共役な酸・塩基
最後に共役の酸,塩基について考えていきましょう!
これは,ブレンステッドの定義を使います!
HA ⇄ H+ + A–
これを見ると,もうみなさんなら分かりますよね?
HAはH+を放出できるので,酸となります.
一方,反応式を逆から考えると,A–は放出されたH+と反応してHAとなるため,A–は塩基になります.
この物質の一連の関係を共役な酸,塩基であるといいます.
共役な酸,塩基についてはこのくらいの知識で大丈夫です!
また出てきたときに一緒に復習していきましょう!
それでは,1点でも得点アップを目指して次回も頑張っていきましょう!!
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